第2章マウスやトラックボールを使いにくい
コンピュータの操作にはマウスやトラックボールが大きな役割を果たします。しかし、障害によっては、それらの操作が容易でない場合もあります。
ここでは、そのケースとして以下の4つを想定し、それぞれのケースへの対応を考えてみます。
(2-1)運動機能障害によりマウスポインターを調節しにくい場合
マウスやトラックボールの操作には微妙な運動調整が必要になるため、運動障害によってはそれらの装備が利用しにくい場合があります。この場合、以下のような3つの解決方法が考えられます。
OSには、マウスやトラックボールの速度調節機能が組み込まれています。この機能を利用して、速度を落として試してみるとうまくいく人がいます。Windowsでは設定のデバイス内にある「マウス」から、macOSではシステム環境設定の「マウス」から設定可能です。
小型から大型まで、様々な形状のマウスやトラックボールが市販されています。この中からその人に合ったものを選ぶのも1つの方法です。ここでは、障害のある人向けに開発された物の他に、パソコンショップには以下のような様々な製品が展示してあると思います。是非、実際に触れて試してみることをお勧めします。
パソコンショップで入手可能な様々なマウス・トラックボール
主な取り扱い会社
マウスエミュレーターと呼ばれる装置を利用する方法があります。マウスエミュレーターとは、通常のマウスやトラックボールが利用できない人のためにマウスの動きを代替するものであり、図9に示したような様々な形態のものが考えられています。
また、キーボードのテンキーを使ってマウスを動かすためのアクセシビリティ機能もOSに標準搭載されています。これらはマウスキー機能と呼ばれ、図10に示したような動きをします。
図9. マウスエミュレーター
図10. マウスキーの例