第21章 状況確認
障害によっては、自分がどういった状況にあるのか確認が難しい場合があります。また、介助者が障害のある人の状況を確認することが難しい場合もあります。これらはいずれも当事者および介助者の不安を増大させます。そこで、状況を確認するための様々な製品が開発されています。
(21-1) 自分の位置や方向が分からない場合
誰もが道に迷った経験があるはずです。視覚障害や知的障害のある人にとって、自分の位置を確認することは容易ではありません。それを補助する製品が提供されています。
(21-2) 身の回りの状況を確認したい場合
視覚障害の人にとって、視覚から得られる情報の多くが制限されています。そこで状況を音声等に変換し知らせる製品が提供されています。また、自分の身の回りの状況を相手に見せて、それを確認する手段としてテレビ電話を利用する人もいます。
聴覚障害の人にとって、聴覚から得られる情報の多くが制限されています。そこで情報を振動等に変換し知らせる製品が提供されています。例えば、人からの呼び出しを振動で知らせるものなどがあります。
(21-3) 監視
自分の位置を把握するのが苦手な人にとってナビゲーションシステムは行動範囲を広げる大きな助けになるでしょう。
しかし、他人の位置を知る、言い換えれば監視することにこの技術を利用することに対しては大きな抵抗が予想されます。それは、監視される人のプライバシーをどのように考えるかという問題です。これについては、利用に先立ち議論される必要がありますが、以下のポイントがその利用を考える手がかりとなるかもしれません。
1つは、監視によって安全が確保されるという視点、もう1つは、監視によって被監視者の行動範囲が広がるという視点です。知的障害を持つ人や高齢者の中には、安全の確保から自由な行動が制限されている人たちもいます。彼らの生活範囲の拡大にこれらのハイテクは大きく貢献できると考えます。
GPSや電話を用いて人の位置を知ることが可能になっています。その技術は、徘徊する人の安全確保に利用されています。ただし、被監視者の人権に十分配慮する必要があります。
カメラやセンサーが小型化され、人に意識されず監視を行うことが可能になってきました。
安全確保には有効な方法ですが、被監視者の人権に十分な配慮が必要です。