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第3章 キーボードやマウスの操作が出来ない

重度運動障害を持つ場合、第1章及び第2章で説明した方法でもキーボードやマウスの操作が困難な時があります。この場合、1つ、あるいは、2つのスイッチやセンサーを作動させる随意性が残っていれば、コンピュータを操作することが出来ます。この方法については、符合化法(Enconding Method)と走査法(Scanning Method)があります。

また、音声を使ってコンピュータを操作する技術も確立されつつあります。

(3-1) 走査法(スキャン法)でコンピュータを操作したい場合

図11.12.に示したように走査法(Scanning Method)には、2つの方法が含まれます。

1つは、自動走査法と呼ばれる方法です。この方法では、モニター上にオンスクリーンキーボードが呈示され、その各キーの上をカーソルが自動的に走査しながら移動していき、利用者がスイッチやセンサーを作動させると、カーソル位置のキーが選択されるようになっています。実際にキーが表示されているため、符号化法ほど記憶負荷は大きくなく、また、スイッチの長短等の微妙な調節能力が要求されないため、走査速度の調節により、かなり重度の運動障害を持つ人でも利用可能な方法だと考えられます。



[自動走査法の場合]
図11.自動走査法の場合

もう1つは、ステップ走査法と呼ぶ方法です。この方法では、1つのスイッチでカーソルを移動させ、もう1つのスイッチで確定させます。そのため、障害によって走査のタイミングに合わせてキーを押すことが困難な人でも利用できる場合があります。

スキャン入力法やモールスコード法の際に利用するスイッチは様々な形状、大きさ、機能のものが市販されています。またスイッチを適切な位置に固定するためのアームも開発されています。これについては、「第26章:スイッチ及び関連装置」を参照して下さい。


[ステップ走査法の場合]
図12.ステップ走査法の場合


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