第15章 書く(コンピュータで印刷する物を含む)
書くことが困難な人にとって便利な道具や機器が開発されています。ここでは以下のケースごとに解説します。
(15-1) 筆記用具を自分で持てない場合
ペンを固定するための道具があります。これについては、「第1部 コンピュータ操作を補助する装置」の中の「1-5:麻痺や不随意運動は無いが、四肢に欠損、変形があり、キーを押しにくい場合」の項で紹介しています。
運動障害のためにペンが持てなくても、キーボードが押せればコンピュータやワープロで文字や絵を書くことが出来ます。これについては、 「第1部 コンピュータ操作を補助する装置」 の項を参照して下さい。また、文字入力に音声認識機能を役立てることもできます。
(15-2) 書くことが困難な場合
書くことが困難な場合、ICレコーダーやスマホの録音機能・カメラ機能を用いて、音声や写真で記録に残すことができます。(15-3) 書いた文字が確認できない場合
視覚障害がある場合、自分が作成した文章の確認が容易ではありません。そこで、点字ディスプレイ上で確認したり、合成音声で読み上げて確認しながら(「第7章:画面情報を音声で知りたい」)、文章を作成するのを助けるシステムがあります。また、点字の利用できる電子手帳も紹介しています。点字プリンターについては、「第9章:プリンター出力が読めない」を参照して下さい。
(15-4) 文字をつづるのが苦手な場合
文章をつづるのが苦手な場合、いくつかの解決策が考えられます。1つは、定型文を登録しておく方法です。ここでは扱っていませんが、様々な文例集がCD-ROMとして市販されています。また、予測システムを用いるのも1つの方法です。次ぎに来る単語の候補が提示されますので、それを選択することで文章をつづっていくことができます。予測システムについては、「第4章:操作の速度を向上させたい」を参照して下さい。
(15-5) 打ちたい文字をキーボードから見つけられない場合
パソコンのキーボードは、QWERYやJIS配列が標準であり、我々が文字を習った「ABC」や「あいうえお」といった配列にはなっていません。そのため、キーボードから打ちたい文字を探せない人もいます。この場合、50音配列のキーボードの利用が解決法として考えられます。また、文字配列を変更できるキーボードの利用も有効かもしれません。50音配列のキーボードについては、「第1章 (1-2)【解決方法3】:大型キーボードの利用」を参照して下さい。